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カザフスタン共和国ナザルバエフ大統領が、2011年1月28日に国会において今年の 年頭教書演説を行いましたが、以下はその概要である。
国民へのメッセージ「未来を共に築こう」
今年は我々にとって特別な一年である。それは、我々は今年我が国の独立20周年を迎えるからである。
かつて制圧されていた民衆を今日のような自由へ導いた道において我々は様々な困難を乗り越えてきた。
ご記憶の方も多いと思うが、1997年に行った第一回目の国民に対する教書演説において私は、「2030年に我々の子供たちは、世界的規模の国際イベントなどの舞台となる国に生きるだろう」と表明した。
当時、このような言葉に疑念を抱いた人も少なくなかったはず。
しかし我々は、それから33年間の歳月を費やすことなく、僅か13年間でその目標に到達することができたと言えよう。
先日アスタナにおいて56カ国の首脳と国際機関などの代表の一堂に会した欧州安全保障協力機構(OSCE)のサミットが、その確たる証であろう。
成功裏に行われたこのイベントの以前にも、我々は数多くの成功を収めてきた。
我が国は、過去長きにわたって世界中に離散した民族を再び故郷に取り戻すことに成功した世界の3カ国の一つでもあり、この数年で外国からカザフスタンへの帰還者が80万人以上に上り、国内人口が150万人に増えた。
また我々は、イシム側が流れる雄大な平原において、我が国の順調な発展の象徴ともなっている綺麗な首都・アスタナ市を建てた。
言うまでもなく、国民が平和に暮らし、政治が穏やかな国のみが経済を繁栄させ、豊かな未来を描くことができる。
現在カザフスタンの外貨準備高は600億ドルとなっており、独立後の20年間の海外からの投資額は1200億ドルを超えている。
我が国は世界の126カ国に対して200種類以上の製品を輸出しており、国内経済の3分の1を中小企業が占めている。
また、農業も発展してきている。
そして、2010年のGDP成長は7%、工業生産は10%、加工産業は19%の伸びをみせている。
平均月給は2007年の53000テンゲから2010年は8000テンゲまで増えている。
国民の生活・経済に関する国際調査の結果によると、カザフスタンは去年26ポイント上昇し、110か国中50位となっている。
国内の平均月給は5倍に、平均年金は4倍に増えた。
我々は世界に衝撃を与えた経済危機を迅速に乗り越え、勇気をもって再び成長へと向かった。
我々は大きな目標を掲げ、短期間にそれらを実現してきた。独立後、約500の新たな健保施設が造られ、医療機関の設備が大きく改善された。教育分野において129カ国の中でもリーダー国のひとつとなっており、過去10年で教育関連予算は10倍に増えている。この数年で、750の学校、5302の児童保育施設、1117の幼稚園、4185の各種センターが建てられている。
またアスタナ市に次世代において教育や研究の中心となる新しい大学が開設された。
このように我が国は、僅かな期間において成功を成し遂げた国家、力強い国民となっている。
そして、これら全ては我が国民に、グローバル的な世界に対する自覚に刺激を与えるようになされているとも言えよう。
1.急速な経済近代化―イノベーション産業化促進プログラムのさらなる推進
我々は今年、我が国独立の20周年を迎えるが、1991年12月から、国の安定と繁栄を戦略的目標に据え、各段階からなる成長プログラムを組みながら、我々は共に前進し続けてきた。
また、常に高い目標を掲げ、それを達成してきた。
この間の国の発展を示す指標をひとつ挙げてみよう。
1994年時点の我が国の国民一人当たりGDPは700ドル僅かであった。それが2011年1月1日時点で、約12倍に伸び、9000ドルを超えているが、これは2015年に達成を望んでいた目標であった。
独立後20年間でこれほどの成長を遂げた国は、世界でも例がないと言って良いであろう。例えば、現代の主権国家としての最初の20年間における韓国の成長は3倍、マレーシアは2倍、シンガポールは4倍、ハンガリーは5倍、ポーランドは4倍であった。
2010年の教書演説において私は、イノベーション・産業発展プログラムを発表したが、この一年ですでにその具体的な成果が現れている。
この1年間で152の企業が立ち上がり、約24,000の人が雇用されている。
全国で様々な分野において800以上の製造拠点が稼動した。
化学工業、軽工業の再発展と農産物加工の分野が活発化している。
今後、2014年までに総額8.1兆テンゲ相当の、294の投資案件が実施される予定となっている。
それによって、161,000人が常時雇用され、これらの案件実施のために一時的に270,000人が雇用されることになる。
産業化プログラムの5年計画の初年における主な成果として、実体経済部門による経済成長構造が大きく変化し初めているところが挙げられる。
ここで、向こう10年に亘る国家戦略の主な目標を振り返ってみたい。
2020年までに我々が以下の目標を目指す。
GDPが、最低30%にに増加する。
加工分野の成長率が、資源分野の成長率と同等に、またはそれ以上になる。
国家基金の資産が、GDPの30%以上の規模となる。
非資源部門への海外・国内投資は、30%以上に伸びる。
GDPにおける中小企業部門の割合が40%になる。
全国人口が1800万に増加する。
高度知識・技術資格者の比率が40%に達する。
失業率が5%以下になる。
農業分野における生産効率が2014年までに2倍、2020年までに更に4倍に増加する。
農業分野においては、家畜生産の成長に向けた過去最大級のプロジェクトが実施される予定であり、それによって、食肉の輸出は2016年に60,000トンに達するが、これはカザフスタンが輸出する小麦の400万トンに匹敵する規模である。
このようなプロジェクトの実施に国家予算から1300億テンゲの融資が向けられる。
農村で20,000人以上の雇用が生まれ、100,000人以上の農業従事者が新たな収入源を得ることになる。
このような対策が、農業分野における各種家畜の頭数増大にもつながる。
これらはすべて、農業機械、化学・食品産業、飼料生産、機械整備などの関連産業の発展に刺激を与えるようになる。
政府、また各州知事に、農村の産業化において最も重要であるこのような計画に取り組んでほしい。
カザフスタン経済の競争力は、省エネを確保する高効率の技術に基づかなければならない。
ここで政府に対して、非資源分野のさらなる発展を図るためのエネルギー効率向上に向けた計画を開発するよう指示する。
このような産業化プログラムが、地域発展に向けた政策の新たな柱になる。
政府に、各州知事と共に「地域発展プログラム」を策定するように指示する。
これらは、将来に向けた具体的な目標であり、我々は現在新たなススタート地にいる。より良い、より裕福な生活を望むのならば、この課題を成し遂げることが我々の義務である。
私は、「強いビジネス、強い国家」主義者である。
先ごろ、「国家統制・監視法」が採択された。
ビジネス管理向けの一定の原則と方式が設定され、すべての国家機関に一律に適用される法律である。
これは、ビジネスに対する行政管理の更なる削減を目的としているものである。
なお、2010年の世界銀行の報告書によると、我が国がビジネス環境改善に向けられた改革の面においてリーダーとして評され、またビジネス環境に関する世界ランキングにおいてカザフスタンが183カ国中59位となっている。
全体として、営利団体の活動に対する国家機関からの管理により干渉が最低限まで削減されている。
去年、カザフスタン・ロシア・ベラルーシの間の関税同盟が発効している。
なお、カザフスタンは2010年の10ヶ月で、ロシアとベラルーシとの貿易高は38%に増えている。
関税同盟国に対するカザフスタンの輸出は52.4%に伸び、関税収入は25%に増えている。関税同盟は、その参加国全ての経済的な課題の解決に向けた現実的で具体的なプロジェクトであることは確かである。
このように、我々は統一経済圏の創設に向けて大きく前進しているが、これが実現すれば、我が国の製造業にとって巨大な販売市場が生まれることになり、また我が国のビジネス界にとって、競争力ある製品とサービスを提供するための刺激にもなる。
2.社会分野の近代化-社会分野における新たな政策
以上のように我々は、経済の産業化と技術発展に関する明確な計画を定めた。
これらの計画の最大の目標は、国民の福祉を向上させることである。
従いまして、私は本日の演説において、社会分野の近代化に特に重点を置きたい。
私は、教育分野、保健分野、言語、これら三つの分野の発展に関する国家プラグラムを認定した。
なお、政府と各州知事に、5月1日までに以下の分野において新たなプログラムを策定するよう指示する:
-新たな雇用戦略
-住宅分野の近代化
-高質飲料水の確保
これらのプログラムは国民の日常生活における諸課題の解決に向けられ、これにより国民の生活のレベルが向上する。
なお、社会におけるこのような新たな政策は、具体的に以下の分野において実施される:
-教育分野
-保健分野
-言語分野
-雇用戦略
-住宅部門
-飲料水確保
-所得増大
我々は本年中に、年金、奨学金、公務員給料をそれぞれ30%に上昇するが、ここ2年においてそれらを25%に上昇してきた。
与党のNur Otan党が公約した通り、2012年に2008年に比して平均の年金、奨学金、公務員給料が2倍に上昇する。
我々がこれを公約し、実現させることができる。
また、私の指示によって、今後の3年間の国家予算の中に、産業・イノベーションプルグラムの実施と並びに、上述の社会分野における案件などの実施のための予算も計上されている。
なお、これらの課題の解決は、今後政府と地方自治体の作業次第であるが、これは向こう10年にわたるあくまでも最低の目標であり、極力目標以上のことを成し遂げることに努めなければならない。それが、今後10年間の社会分野における最重要な目標である。
2011年は大統領政令によって独立20周年記念年と決定されたが、現在国家委員会が組まれ、今年中に全国において行われる予定の行事・イベントなどが策定された。
これらの事業は、全国民の共同事業だとも言えよう。
政府に、このような事業を推進させていくために投資家、ビジネス界、国民の力を結集してもらいたい。
なお、今年のスローガンは「平和と創造の20年」である。
「自由」、「統一」、「安定」、「繁栄」が、独立後の20年間のカザフスタンの基本原則となってきた。
カザフスタンは、対外政策において、世界の投資家およびビジネス界に対する我が国の責務の安定性を保つことを改めてここで宣言する。
カザフスタンの対外政策は、あらゆるパートナーからの希望と期待に沿ったものになる。
我が国は今後もロシア・カザフスタン・ベラルーシの関税同盟の速やかな、効果的な発展を目指していく。
CIS諸国との協力関係をいっそう発展させていく。
ヨーロッパのパートナーに、多国間あるいは二国間の枠組みで「カザフスタン-EUエネルギー憲章2020」を策定することを提案したい。これは、エネルギー資源の欧州市場への安定供給を保証し、パイプライン網の拡充を可能にするものであると思う。
今年、アルマティでアフガニスタン支援の特別ドナー会議を開催することを提案したい。
過去に、私は「カスピ海安定条約」を締結することを提案したことがあるが、これは、広大な中央アジアとコーカサス地域に広がる安定の確固とした基盤になると考えられるものである。
カザフスタンは、OSCE議長国として始めた紛争解決関連の仕事を続けていく。
今後も、世界原子力安全保障分野をリードしていく。
国連において「核の無い世界宣言」を採択することを提案したい。
また、「キルギス支援多国間プログラム」を策定する重要性も指摘しておきたい。
今年はカザフスタンがイスラム諸国会議機構の議長役を務める。
我々は以前西洋諸国とイスラム世界の対話強化に関するイニシアチブを提言したことがある。
イスラム諸国会議機構の指揮に立つことにより、カザフスタン外交のアジア向きベクトルが強化されると思う。
また、今年の6月にアスタナにおいて、上海協力機構の設立10周年記念サミットが行われる。
上海協力機構の設立において我が国は積極的に参加してきたが、今後も同機構の強化に向けて努力をしていく方針である。
これらを通して、カザフスタンが地域及び世界の安全保障体制強化に重要な貢献をして行く。
カザフスタン共和国大統領ヌルスルタン・ナザルバイエフのカザフスタン国民に向けた年次教書(抜粋)
2009年3月6日に行われたカザフスタン共和国ナザルバエフ大統領のカザフスタン国民への教書演説の概要「危機による変革と発展」
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