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カザフスタン共和国大統領
ヌルスルタン・ナザルバイエフの
カザフスタン国民に向けた年次教書(抜粋)
新たな10年・新たな経済発展・カザフスタンの新たな可能性
1997年に「カザフスタン2030年」戦略を採択してから、われわれは国の長期的な最重要課題を形成した。これにより、2010年までの戦略計画における、当然の発展を果たすこととなった。
結果、われわれは当初の予定通りの生活水準に達し、以下の結果を残した。
当初の計画より早い2008年にはすでにGDPを2000年比で倍増することを実現し、国家の社会責務を効果的に果たすことができた。
平均給与額は5倍に、年金支給額は3倍に増加した。
国民の国民総健康指数は向上した。母親の死亡率は半減し、出生率は1,5倍に増加した。
10年間で652校の学校と、保健施設を463ヶ所に設立した。
今日わが国には世界水準を誇る医療センターである国立母子センターと神経外科医学研究所がある。
今年、心臓外科センターが設立される。カザフスタン国民に対するさまざまな医療分野の活動が飛躍している。
その成果、数千の国民の命が守られた!
われわれの成果については2009年の国連の報告書でカザフスタンを高水準の人間能力を有する国のひとつに加えたことにあげられる。これはわが国の福祉水準の発展を表す動かぬ証拠である。10年間に住居所有者数は120万人、35万世帯になった。国内の全道路の三割を占める3万2000キロの道路が敷設された。
世界大不況は経済発展のテンポに影響をきたした。過去三年の困難な不況との闘いにおいてこれまで蓄積してきた経済力のおかげでわが国は安定を保った。
「ロードマップ2009」プログラムの実現により、全国各地で、住宅公共事業に関する862のプロジェクトが行われ、737キロの電力線、1029キロの水道管、284キロの温水パイプラインのほか、道路、数百に及ぶ学校、医療施設、文化・スポーツ施設の修繕作業が実施された。
非市街地までに及ぶ重要な作業をわれわれは初めて行った。市民は我々が優れた仕事を実行したことに謝意を示している。
2009年の経済成長率は1.1%、工業力は1.7%であった。
わが国は好ましい成長テンポを誇る「突破グループ」国となった。
総外貨準備高と国家基金資産は今日すでに500億ドルを越えた。過去10年で25倍の増加である。
失業率は6.3%で、これは不況前より減少している。
雇用戦略の効果的な実現により、国内に40万以上の雇用機会が創出された。
次に2020年までの発展戦略実現について言及する。
当面の課題:
1.
不況後の発展に向けた経済準備
2.
強行的工業化とインフラ開発による安定的経済発展の確保
3.
未来の人的資源競争力向上に向けた活発な投資
4.
国民への高水準な社会・住宅公共サービスの保障
5.
民族間の友好関係、国家安全の強化、国際関係の更なる発展
安定しバランスのとれた発展は今後10年間、急速な多角化と国家経済の競争力強化により保証されている。
イノベーションのみが労働生産性の急速な向上を可能にする。
政府は強行的な産業・イノベーション発展に関する国家プログラムと、国の詳細な工業化地図を準備した。
この二つのドキュメントは何をどこに、どのように我々が今後5年の間に作っていくかを書いた詳細な行動計画である。
現在、総投資額6.5兆テンゲを投じる162件のプロジェクト実現についての話をしているところだ。これは国のGDP の40%に相当し、これにより、今後三年間に20万以上の新たな労働機会が創出される。
今後5年の間にバルハシュ火力発電所、モイナクスカヤ水力発電所、エキバストゥス国立地区発電所の新区画、などの大規模なガス化学複合施設、鉱物肥料生産工場、巨大な発電所が数箇所で操業を開始する。
2014年に向けて国内三ヶ所にある石油加工工場を修繕し、すべての石油製品に対する国内需要を十分に供給できることを目指す。
各工業プロジェクトは地域において地方政権だけでなく、社会全体による特別監督下におかれるべきである。これは今後10年間の国内における全民族の課題にならなくてはならない。
工業発展とは、新たな10年におけるわが国のチャンスであり、国家の発展につながる新たな可能性である。
カザフスタンは見事な産業大国になるだろう。私はこれを確信している。その他、多角化のための重要なセグメントは農産共同企業体の開発である。
2014年までに国内の食料自給率を80%以上にするのが必須だ。
「未来の経済」セクターについては特別に言及したい。その根幹を成すものは結果をなす、効果的に機能する国家イノベーションシステムであるべきだ。
われわれにはそれをできるだけの準備がある。それでは話を先に進めることにしよう。アスタナの新大学に、3つの新たな科学センターが設立される。
生命科学センターは、世界中の最先端科学研究所と、臓器移植、人工心臓、人口肺、幹細胞と長寿医療の分野での共同開発を行っていく。
エネルギー研究センターでは、再生可能エネルギーと、高エネルギー物理工学を研究する。
学際道具学センターは、エンジニアリングセンター、研究の中心施設、設計の基地的役割を担う。
今年中にこの3施設が完成する。
2010年1月1日施行のロシア、ベラルーシとの三国関税同盟は、カザフスタンの地域統合構想に向けたイニシアチブの突破口であった。
三国統合の次段階は、2012年1月1日に統合経済圏を創設することだ。これは統合をさらに推し進めるもので、資本と労働力が自由に地域内を流動することができる。
産業発展の優先性を考慮に入れて、経済特区と、産業パークが機能するための新たな取り組みに着手する必要がある。民間投資を誘致する大きなポテンシャルを有しているのは官民パートナーシップのメカニズムである。
リスクを恐れず、新たな市場の創設や、イノベーションの導入に意欲的な強力な企業家層の出現を期待する。とりわけ、経済の近代化を推進する力を持つ企業家の出現を。
これに関連し、2010年から各地域の企業育成に向けた統一予算プログラム実施実現することを政府に委任する。
わが国の非資源分野の輸出業者に対する支援は、工業化のための重要な針路となるであろう。
輸出市場におけるカザフスタンの産業は国内ブランドを拡大化させるべきだ。
よって、政府の課題は輸出業者完全支援システムの創設である。とりわけ貿易投資、サービス維持、輸出グラントに特化した支援システムだ。
地域発展改革なしに、強行的な多様化を確保することは不可能だ。そのためにも経済発展センターの設立に取り掛かる必要がある。カザフスタン西部では、石油ガス分野、化学産業、機械製造、交通システムを発展させる必要がある。
カザフスタンの中央部、北部、南部、東部では鉱山冶金システム、原子力産業・化学産業、農業の開発が必須である。
国内需要を基盤とした部門は、とりわけ人的資源の豊富なアルマティやアスタナの街で、伝統的産業と平行して発展させなければならない。
高い輸出力を持つ非資源部門と、農耕コンプレックスを北カザフスタンや南カザフスタンで適切に発展させるべきだ。
将来性のある経済分野はアスタナやアルマティでその発展に取り組むべきだ。経済競争力があり国内外の人々を惹きつけるわが国の首都アスタナの今後の発展は非常に大きな意義を持つ。
GDP における加工産業の割合は13%以上になるべきだ。
国の輸出総量で非資源輸出の割合を27から45%までの増加を目指す。加工産業での労働生産性は2倍に、農業分野では少なくとも4倍に向上させるべきだ。
単位GDP当たりのエネルギー消費量の25%削減目標を掲げている。イノベイション向けの企業数は4%から20%の増加を、農業分野の輸出力は現在の4%から8%の増加を目指す。建築分野での国内需要のうち80%がカザフスタン製の材料で供給されるべきだ。
2015年までに国家イノベーションシステムが十分に機能し、2020年までにこのシステムは、国内で導入される採掘、パテント、完成技術のような形で、成果を残さなければならない。
2011年にカザフスタンで開催されるアジア大会に向けて建築が進んでいるスポーツ部門のインフラは、大規模なスポーツ発展に必要な前提条件を作り出すだろう。これは、アルマティ、アスタナのみならず各地方都市にも及ぶスポーツ普及に貢献するだろう。
今後10年間の最重要課題は、カザフスタン国民の生活レベルを向上させることと、社会的安定と保護を確保することだ。
国益の確保、国の国際的な威信の向上、国家、地域、世界の安全保障の教科を目的とした積極的で実用的、かつ安定した外交政策が行われる。
カザフスタンは国際関係の新たな構築および、世界貿易金融システムの輪郭を形成する際のグローバルな決定の過程に参加する意向だ。
カザフスタンは、すべての既存集団安全保障体系間における戦略的対話を積極に推進してゆくだろう。
カザフスタンは、地域と全世界の経済プロセスにおける責任あるプレーヤーとして自身の役割を十分認識し、独立後一貫して滞りなくその役割を全うしている。
カザフスタンは自身の世界における高い名声により、欧州安全保障協力機構(OSCE)の議長国に選出された。
OSCEは三つの大陸にまたがり、56もの参加国を有し、ユニークな地理的構成と、参加国間関係の豊かな経験を誇る、国際安全保障・協力における最も重要な機構のひとつである。
安全保障分野での最高責任機関であるカザフスタン議会議長は、「信頼・伝統・透明性・許容」のスローガンをもって任務に取り組んでいる。
われわれは共に多くの尚早課題の解決の方法を模索し、潜在的な危機的状況防止のための共同メカニズムを作り上げていく。
我々は、安全保障の根本的な問題と、OSCE機構自身の強化といった問題におけるコンセンサスフィールドを拡大・強化する意向だ。
わが国はOSCEが、21世紀の世界の多様化を許容する機構であるためにあらゆることをするつもりだ。
OSCE加盟国の多くがカザフスタンの計画を支持した。今年、アスタナでOSCE首脳会議開催の提案に関しても同様に支持された。
私はサミットの中で、OSCEの責任地域における焦燥の安全保障問題、アフガニスタン情勢と、寛容問題についての議論を提案した。
わが国のOSCE議長としての任務は全世界の人々の安全、繁栄を導いてゆくことだろう。
2009年3月6日に行われたカザフスタン共和国ナザルバエフ大統領のカザフスタン国民への教書演説の概要「危機による変革と発展」
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